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国際ロータリー 第2580地区中央分区

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「天地逆転の発想」

卓話 公開日 :

「天地逆転の発想」

卓話者:有賀政人会員

WBCの話

まず最初に、先日行われたWBCの話題からお話しさせていただきます。

今回の大会、日本代表はベスト8という結果に終わりました。前回大会では見事に世界一を達成していたこともあり、連覇への期待が非常に高かっただけに、少し悔しさの残る結果だったのではないかと思います。とはいえ、第1ラウンドを振り返ると、日本の強さはしっかりと発揮されていました。台湾や韓国といったアジアの強豪がひしめく中でも、日本は安定した戦いを見せ、特に東京ドームでの試合では、まさに“日本らしい野球”で勝ち上がっていきました。

中心となったのは、やはり大谷翔平選手や山本由伸投手といった、世界で活躍する選手たちです。彼らの存在がチームに安心感と勢いを与え、第1ラウンドは全勝。「今回もいけるのではないか」という期待を、多くの人が感じたと思います。

そして舞台はアメリカへ移り、準々決勝。相手はベネズエラでした。試合自体は非常にいい内容で、接戦でした。日本も持ち味を出し、互角以上の戦いをしていたと思います。しかし、最後に勝敗を分けたのは“世界のパワー”でした。日本のトップ投手が投げた渾身のストレート。日本では沢村賞を取るほどのレベルのボールでも、それを完璧に捉えられ、逆転のスリーランホームラン。この一打が象徴的だったように感じます。ここに、今の世界野球の現実があるのではないかと思いました。

現在の野球は、データや分析が非常に進んでいます。球速、回転数、投球の角度、打者の傾向――すべてが数値化され、対策されています。その中で、日本の投手陣は間違いなくレベルが上がっています。技術的には世界トップクラスと言っていいと思います。

一方で、最後の局面で勝敗を分けるのが「フィジカル」、つまりパワーの差だったのではないかと感じました。

打撃に関しては、大谷選手をはじめ、メジャーで活躍する選手も増え、日本も決してパワーで劣っているわけではありません。むしろ、かなり差は縮まっていると思います。ただ、それでもなお、要所で上回られてしまう。

ここに、今後の課題があるのではないかと思いました。

かつて、日本の野球は「スモールベースボール」と言われていました。バントや走塁、つなぐ打撃で相手を崩していく、非常に緻密な野球です。第1回・第2回大会では、このスタイルで世界一を勝ち取りました。しかし今は、そのスタイルだけでは勝ち切れない時代に入ってきています。

では、日本はこれからどう戦っていくべきなのか。パワーを追求するのか、それとも日本らしい野球をさらに磨くのか、あるいはその両方を融合させるのか。今回のWBCは、単なる結果以上に、「これからの日本野球の方向性」を考えさせられる大会だったのではないかと感じました。

WBCから息子の野球の話へのつなぎ

今回のWBCを見て、改めて野球の魅力を感じました。実は、前回日本が優勝した時、うちの息子はちょうど小学校1年生で、あの大谷翔平選手に憧れて野球を始めました。同じように、今の新4年生の世代というのは、前回のWBC優勝の影響を強く受けていて、子供の数が減っている中でも、比較的野球人口が多い世代だと感じています。

大会出場の流れ

そんな中で、私が所属しているチームの3年生が、練馬区の学童野球大会で優勝し、推薦をいただいて、文京区主催の「オレンジカップ(都大会)」に出場する機会をいただきました。そして3月20日、試合に臨みました。

試合結果と内容

対戦相手は、中野区の複数のチームが集まってできた合同チームで、結果は 14対1の大敗 でした。ただ、内容を見てみると、圧倒的な力の差があったかというと、そういうわけではありませんでした。

・特別に球が速いピッチャーがいる
・圧倒的に飛ばすバッターがいる
・足が突出して速い選手がいる

そういう「わかりやすい差」は、実はそこまでありませんでした。

試合を分けたポイント

では何が違ったのか。一番大きな違いは、「野球に対する理解」と「全員の反応の質」でした。

例えば、
・1つのプレーに対して全員がしっかり目で追っている
・次の動きが自然にできている
・状況判断が早い

3年生とは思えないほど、野球に対する意識と知識が高いチームでした。

敗戦からの学び(締め)

今回の試合は大敗ではありましたが、「何が足りないのか」をはっきり見せてもらえた非常に価値のある経験だったと思っています。

これからは、
・試合の運び方
・一つ一つのプレーの意識
・チーム全体の連動

そういった部分をしっかり学びながら、子供たちと一緒に成長していけたらと思っています。

今回のテーマは**「天地逆転の発想」**です。
私は普段から、野球やゴルフなど「人がどうやって体を使っているのか」ということを見るのが好きで、よく観察しています。

その中で今回のWBC、特に印象に残ったのが大谷翔平選手のホームランです。日本で行われた初戦、台湾戦。あの先制ホームランを見たときに、「何かが違う」と強く感じました。普通、外国人選手のホームランというのは、とにかくパワー、力強さ、迫力。「思いっきり振って飛ばす」という印象が強いと思います。

もちろん大谷選手もパワーはありますが、あの時の打撃はむしろ逆で、体がほとんどブレない。バットだけがスッと出ていく。極端に言えば、「手打ちのように見える」スイングでした。それでも、軽く振ったように見えてあれだけの飛距離が出る。ここに私は違和感を感じました。

普通、人間はボールを遠くに飛ばそうとするとき、
・ピッチャー方向
・打球方向

つまり「前に力を出そう」とするのが自然です。ですが、色々と調べていく中で、大谷選手の動きはむしろ逆で、引っ張る方向とは違う、“真逆の方向に力を使っている”ということに気づきました。その一つの証拠が「打撃妨害の多さ」です。

以前の大谷選手は、キャッチャーミットにバットが当たる場面が非常に多かった。これはつまり、スイングの出力が前ではなく、後ろ方向に強く働いているということの現れではないかと感じました。

ここで私は考えました。「この発想はゴルフにも応用できるのではないか?」

ゴルフも通常は、
・腰を横に回す
・ボール方向に力を出す

という動きが基本です。しかし私はそこを逆にして、腰を“縦に使う”そして“後ろに投げる”イメージを取り入れてみました。

例えば、
・地面にボールを叩きつける動き
・下に思いっきり投げる動き

この「縦の動き」をベースにして、体の捻転を加えることで結果的に後ろ方向に力を出すスイングに変えてみたんです。するとどうなったか。体を引くことで、逆にクラブが走る。これはまるでムチの動きのような感覚でした。

実際に取り入れてみると、
・305ヤードのパー4でワンオン
・ハーフでバーディ3つ

と、少しずつですが明らかに変化が出てきました。

ここで私が感じたのは、人はつい「正しい方向」に力を出そうとする。しかし本当の力は、“逆の使い方”にあるのではないか。ということです。

逆の力が働く法則(ビジネス編)

日頃の例会で、内田会長が「法則」のお話をされていて、私自身とても興味深く、いつも楽しみにしております。その中で私はふと、「世の中には“真逆の力”が働く法則があるのではないか」と考えるようになりました。

一般的には、
・楽な方がいい
・早い方がいい
・効率的な方がいい

そう思いがちですが、実はそうではない現象も多く存在しています。

ディズニーに見る「最後で覆す力」

例えば、テーマパークです。東京ディズニーランド のような場所では、
・入場まで長時間並ぶ
・アトラクションも待つ
・食事も待つ

正直、とても大変です。それでも人は、なぜまた行きたくなるのでしょうか。それは、最後に待っているパレードやショーといった非現実的な体験が、それまでの「辛さ」や「待ち時間」をすべて上書きしてしまうからです。

つまり、
👉 「大変だった時間」より「最後の感動」が記憶に残る
という、人の心理が働いています。
これはまさに、**マイナスをプラスで覆す“逆の力”**です。

IKEAに見る「手間が価値を上げる法則」

もう一つ面白いのが、いわゆる「IKEA効果」です。
IKEA では、
・広い店内を歩かされる
・倉庫で自分で商品を取る
・重い荷物を運ぶ
・最後は自分で組み立てる
と、かなり手間がかかります。本来なら「完成品を渡してくれた方が楽」なはずです。

しかし実際には、
👉 自分で手間をかけたものほど価値が高く感じる という現象が起きます。

たとえば3000円の商品でも、自分で苦労して組み立てた瞬間に、
👉 「それ以上の価値がある」と感じてしまう
これが、いわゆる努力=価値を生む逆転の法則です。

まとめ:見えない「裏の力」をどう使うか

これらを通して感じるのは、
👉 成功しているものの裏には
👉 「目に見えない逆の力」が働いている
ということです。
・楽だから売れるのではない
・効率がいいから選ばれるのではない

むしろ、 👉 あえて不便・手間・負荷を入れることで価値が上がる
という、真逆の発想が存在しています。

締め(ビジネスへの応用)

私自身も仕事をする中で、
・どうすればもっと楽になるか
ではなく
👉 どうすれば価値が高く感じてもらえるか
という視点を大切にしていきたいと思っています。

その中で、
・あえて手間をかける
・あえて印象に残る体験を作る
こういった「逆の発想」を取り入れることで、これからのビジネスにも活かしていきたいと考えています。

今日お話しした「天地逆転の発想」という視点は、私たちが普段当たり前だと思っていることを、あえて逆から見てみることで、新たな価値や可能性を引き出せる、そんな力を持っていると思います。私自身もこの発想を胸に、仕事や日々の取り組みに、もう一歩踏み込んで、より深い価値を生み出していきたいと思います。ありがとうございました。

 

卓話公開日 2026年 3月23日

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